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Channel: CULTURE FEATURE(カルチャー特集) | HOUYHNHNM(フイナム)
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TWEED RUN TOKYO 2013 「ツイード・ラン」は何が面白い? 3人の有識者が語り尽くします。 栗野宏文×菊池武夫×中室太輔

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ツイードを着て、自転車に乗り、集団で走る。言葉にすると「?」な催し「ツイード・ラン・東京」が、初開催となった昨年の好評を受けて、今年も開催されます! では一体、「ツイード・ラン・東京」は何が面白かったのか? 実行委員長を務める㈱ユナイテッドアローズの栗野宏文、昨年はスペシャルゲストとして登場したデザイナーの菊池武夫、そして昨年の参加者の1人である中室太輔(ムロフィス)の3人が、「?」の中身を丁寧に紐解いていきます。

Photo_Hideto Aida
Text_Mikiya Suzuki
Edit_Hiroshi Yamamoto

まずは栗野宏文と菊池武夫、2人の関係性について。

-「ツイード・ラン・トウキョー(TWEED RUN TOKYO)」のお話しを伺う前に、ファッション業界の重鎮である、菊池さんと栗野さんお二人の関係性について教えていただけますか?

栗野: 菊池さんは僕の大先輩というか。僕らがこの業界に入る前からご活躍されていた方ですから。関係性云々というよりも雲の上の存在です。もちろんお互いに以前から顔を知っていますし、共通の知り合いはたくさんいるんですけど、きちんとコミュニケーションを取るようになったのは、実はここ最近なんですよね。

菊池: 僕が海外の展示会に足を運ぶようになってからだから、ここ6、7年かな。海外で顔を合わせる機会が多いですよね。

-お互いの第一印象を伺ってもよろしいですか?

菊池: インテリジェンスがあって、趣味が良い。日本ではなかなかお目にかかれないセンスの持ち主ですね。バイヤーとして世界を舞台に戦えるのも納得できます。さらに文章も書ける。そういったセンスに惹かれて、雑誌でタケオ キクチの特集をしたときに執筆いただいたこともあります。

栗野: 僕の場合は、菊池さんご自身というよりも、40年位前に表参道のお店に訪れたのが、菊池さんの世界に触れた最初と言うべきかな。「ロンドンの空気を持った物作りをしている日本の侍がいる」という噂を聞いて足を運んだんです。まだ僕が学生の頃、1972年くらいかな。そのお店がとにかく格好良くて。

-こうやって一緒に取り組むようになって印象に変化はありましたか?

栗野: 変化というよりよりも、圧倒されますね。今なおパワフルで、とにかくスケールが大きい。

菊池: ツイード・ランのスタッフのなかでは僕が最年長ですからね。だからこそ頑張ってやろうかなと(笑)

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なぜ、ツイードを着る必要があったのか?

-それでは本題である「ツイード・ラン・トウキョー」について伺います。今年で2回目となりますが、そもそもの開催の経緯を教えてください。

栗野: 東京で仕事をしていると、漠然と東京の街を世界にどのようにプレゼンテーションすれば面白いのか、考えるようになるんです。そんななかロンドンでツイードを着て自転車に乗るイベントがあるという噂を耳にして、さらにJFWO(一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構)からMercedes-Benz Fashion Week TOKYO中の催しのアイディアを求められて。そこで1つのアイディアとして提案したんです。東京の街でツイードを着て、自転車に乗るのはどうか、と。自転車の安全走行を広めるとともに、街を走ることの楽しさも発信できますからね。

-なぜ、ツイードを着る必要があったのでしょう?

栗野: その光景を思い浮かべてみてください。味わい深いツイードの素材を身に纏った集団が、東京の綺麗な街並みを自転車で走る__。格好良くないですか?

-確かにそうですね。今までグループ・ライドはありましたが、ファッションを念頭においたグループ・ライドという目新しさもある。

栗野: そこなんです。エコロジカルでクラシックな自転車と、クラシカルでファッショナブルなツイード、この2つの要素は掛け合わせてみると実に相性が良いんです。しかも、東京の街並みにもハマる。

菊池: そして、こういった機会を提供するのも洋服屋の仕事なんですよね。僕らは商品を提供するだけではなく、着て行く場所まで提供しなければいけない。

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-Mercedes-Benz Fashion Week TOKYOの期間中に開催する意図を教えてください。

栗野: Mercedes-Benz Fashion Week TOKYOは、世界各地からジャーナリスト、バイヤー、エディター、フォトグラファー、多くの人が訪れる期間だからですね。影響力のある彼らに知ってもらうことで、東京という街を効果的にプレゼンテーションすることができる。

-大きな意味での街作りに「ツイード・ラン」がフィットしたということですね。ところでお三方ともにファッション業界でご活躍されていますが、一方の自転車についてはどういった認識をお持ちなのでしょうか?

中室: この業界に入る前に、池袋の自転車専門店に勤めていたんです。ホールディング・バイク担当で、アレックス・モールトンに憧れて、そこからロードバイクにもまたがるようになって。そこでモノを売る面白さに目覚めて、ファッションの世界に転身して。今でも雨が降らない限り、通勤は自転車を使っています。

栗野: 中室さんほど詳しくはないけど、乗るのは好きですね。ただ、昨年開催したときは、ここまで楽しい催しになるとは思いもしませんでした(笑)。ツイードを着て、自転車で走るだけではあるんですけど......。

菊池: 街を走るという単純な事柄に彩りを加えてくれるんです、ツイードという素材が。味わい深さがあって、とてもロマンティックな素材ですからね。男の根幹に響くというか。だからこそ、僕もツイード・ランに興味を持ちましたし。

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ツイード・ラン・東京の可能性。そして今後の展望。

-実際に昨年実施、参加されてみて、いかがでしたか?

中室: 楽しいです。本当に。見られる楽しさ、見る楽しさ、走る楽しさ。いろんな楽しさがある。ただ、昨年はどういうわけか僕と小木君(Poggy)だけ途中からハグれてしまって(笑)。今年は迷惑かけないようにしないとな、と。こうやって振り返ってみると、どんなスタイルで望むのか、考えているときも楽しかったですね。ちょっぴり緊張しながら集合場所に行って、みたいな。

-なかなかそういった機会は無いですもんね。栗野さんは実行委員長としていかがでしたか?

栗野: 街の風景が変わる可能性は感じましたね。大袈裟な言い方をすると、1979年にウォークマンが発売されて、人と街がガラリと変わったように。というのも、楽しみ方という部分では、自転車にとっても、洋服にとっても、新しい提案だと思うんです。しかも、自転車もツイードも身近な存在じゃないですか。だからこそ、こういった機会を誰でも気軽に作ることができる。ムーブメントとして発展を遂げれば、街を変えることもできるんじゃないかなと。

-ちなみに自転車とファッションというのはリンクする部分はあるのでしょうか?

菊池: 平坦な街だとハンドルポジションが高くて、それに伴って求められる洋服も変わってきますよね。アムステルダムなんて、まさにそう。そういった街の雰囲気がスタイルとなって出てくるんですよ。

栗野: 街と自転車とファッション、すべてが馴染んでいる都市というのはありますよね。ビジネスマンがスーツで自転車通勤しているのが格好良かったり。東京でもツイード・ランをキッカケに、街と共鳴した自転車スタイルが育ってほしいですね。

-今回のツイード・ランでは、みなさまどんなスタイルで望むのでしょうか?

中室: 去年は"BUSINESS"と文字が入ったハイソックスを履いて行ったんですよ。遊びじゃないぞ! って。今年はどうしましょうかねえ。どこかにヌケは作ろうと思ってはいるんですけど、それは現場のお楽しみということで(笑)

菊池: まだ決めてはいないんですけど、漠然とビジネススタイルで攻めようかと考えています。最年長の僕がビシっと決めて、周りを圧倒してやろうかと(笑)

栗野: クラシカルな素材とはいえ懐古主義でやっているわけではないので、どうやって今の雰囲気を出すか、ですよね。個人的にはエスニックなテイストとツイードの融合を模索中です。

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-参加者のスタイルを目にするだけでも楽しそうですね。それでは最後にツイード・ランの開催に向けて、メッセージをお願いします。

中室: 前回は諸先輩方に緊張したり、ハグれてしまったり。楽しかったにせよ、反省点も多かったので、今回こそ自転車とツイードの良さを伝える気持ちを持って参加したいですね。そして年々、参加者が増えてくれると嬉しいです。

菊池: 一番は自転車とファッションともに楽しむこと。積極的に参加してもらい、体感してもらいたいですね

栗野: 格好良いモノではなく、楽しいモノとして定着させたいですね。ファッションというのはどうしてもクールになり過ぎてしまう傾向がある。そこを自転車というフィジカルな体験とミックスさせることで、双方の良さを知ってもらえたら嬉しいですね。

-最後にツイード・ランの今後の展望を教えてください。

栗野: 実は東京に続いて名古屋での開催も決まりました。"DO IT YOUR TWEED RUN"じゃないですけど、安全で楽しく、そしてファッショナブルに楽しめるイベントなので、どんどん拡がっていってほしいですね。秋はツイード、春はデニム、といった具合に。まだまだいろんな可能性があるんじゃないですか。

Tweed Run Tokyo 2013
日時:10月14日(月・祝) 9時~14時(予定)
9:00 シェアードテラス 外苑いちょう並木に集合
10:00~12:00 東京都内をグループライド
12:30~14:00 ティーパーティー
※荒天の場合、自転車の走行は中止して、別の企画を準備しております。
場所:港区、千代田区、中央区など
スタート地点/シェアードテラス 外苑いちょう並木 港区北青山2-1-15
ゴール地点/銀座三越 中央区銀座4-6-16
参加料:¥5,000 ※参加受付は終了しました
ドレスコード:ジャケット、パンツ、ベスト、アクセサリーなどで、ツイード素材のアイテムを身につけること

Tweed Run Tokyo が掲げる5つのこと
1.自転車の正しい乗り方、マナーをPR
2.自転車ユーザーに交通ルール遵守を訴求
3.東京を、楽しく自転車で走ることができる街として国内外に発信
4.自転車をもっと楽しむために、おしゃれをして走ることを提案
5.ファッションのひとつのジャンルとして確立させ、ファッション産業を活性化

The Tweed Run(ロンドン) 公式サイト
tweedrun.com
Tweed Run Tokyo公式サイト
tweedruntokyo.com

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